2016年12月11日
【CS ファイナル】浦和レッズ 1-2 鹿島アントラーズ

12 月 3 日の土曜日は、ホーム埼玉スタジアムでリーグチャンピオンシップ第 2 戦、鹿島を迎え撃ちました。
あれから一週間以上が経ったのですが、その間書く時間がなかったので今さらながらアップします。。。
冒頭で述べておきますが、J リーグ2 ステージ制&チャンピオンシップ形式が決まったことを最後まで反対していた人達は浦和レッズサポーターを中心としたサポーター集団であり、浦和レッズのフロントでした。これを J リーグの人気向上を理由に強行に決めてしまった J リーグ。2 年前のことです。

レッズは今回年間勝ち点「74」で J1 リーグ年間勝ち点数で歴代最多タイ記録、対する鹿島は「59」でリーグ戦全日程を終えました。
結果はチャンピオンシップ 2 試合の結果(両チームの 1 勝 1 敗で得失点数も両チーム 2 得点 2 失点、アウェイゴールを 2 倍換算で 2 試合の合計は 3-4 )によりレッズの年間 2 位が確定しましたが、これに近いことが 2004 年にもありました。
当時 16 チームだった J1 で年間勝ち点「62」の 2nd ステージ王者のレッズと、年間勝ち点「59」の 1st ステージ王者のマリノスが年間王者を決めるチャンピオンシップで当たり、両チーム 1 勝 1 敗で得失点数も両チーム 1 得点 1 失点、PK 2-4 でマリノスが年間王者になりました。
今年のチャンピオンシップが当時のように「1st ステージ王者の鹿島 vs 2nd ステージ王者のレッズの年間王者決定戦」であればフェアだったと私は思います。ところが、年間勝ち点をチャンピオンシップの仕組みに導入したことで、にも関わらず年間 1 位のチームに殆どアドバンテージのなかったチャンピオンシップ。これが野球のクライマックスシリーズであれば、レッズに 1 勝のアドバンテージ・・・はムリだから 2 得点くらい予め与えられて、1 勝 1 敗であれば PK 決着にするとか、来季からバグをフィックスしてもらえるのかといえば「来季から 1 ステージ制に戻す」という安直な修正。つまり昨年と今年の制度は「ダメだった」と事実上 J リーグが認めた(検証は終わった)ということになります。

一年を通して結果を出してきたチームが一番強いはずのリーグ戦、そしてサポーターを含め浦和レッズに関わる全ての人達が積み上げてきた大切な思いが、このようなかたちで終わってしまったことには残念としか言いようがありません。
仮にレッズが優勝して「この仕組みは間違っている」と言ったとしても、年間勝ち点 1 位のチームが勝って言うことにリアルな説得力はおそらくなくて、もしかしたら将来また 2 ステージ制が戻ってくる可能性もある、そう考えると 2 ステージ制移行にあたり実施を最後まで反対したクラブが当事者となってしまった皮肉と J リーグに対するインパクトは後々まで強烈に残るのではないか、と個人的に思います。


私は優勝した鹿島を非難するつもりは全くありません。
ただ、昨年と今年の仕組みは明らかにバグがあったこと、その結果クラブや選手、サポーターに大きな失望を与えたものであり、年間勝ち点「59」で優勝としたクラブを今年の日本を代表するクラブとしてクラブワールドカップに送り出す J リーグは今回の結果を「グローバルスタンダードな仕組みなのかどうか」という点で、よく検証してもらいたいです。
今回の結果は、年間首位のレッズと年間 14 位のジュビロとの直接対決の結果と全く同じだということ、それとリーグ形式とノックアウト形式の性質の違いが昨年と今年のチャンピオンシップ実施によって「リーグ戦の意義」が問われる結果になったということを個人的な意見として提示したいと思います。
年間優勝を懸けて戦うゆえに、J2 の 3~6 位チームで争われる J1 昇格プレーオフとも似ているようで質は異なります。
相撲にたとえれば、15 勝した力士と 14 勝 1 敗の力士と 12 勝 3 敗の力士の間で優勝決定戦をやるようなもの。
仕事でいえば、取引先の企業の責任者が「こういうビジネスの仕組みを構築したいから提案をしてほしい。内容と価格を出してもらった上で、やっぱり最後は提案内容は全く参考にしないで価格のみで決めるから、ベンダーにはもう一度価格を出し直してもらう。1 円単位で一番安かったところに発注する。内容が良くても 1 円の差で 2 番手であれば採用しない」という条件で当初から提案依頼を受けたらマジメに提案をしたいと思うベンダーはいるのかよ、と私は思います。
ただ、企業の競争でいえば採用されたベンダーが「勝ち」には違いないという、それだけです。そこは結果として発注元が認めたのだから「正しい」のです。

話を当日に戻します。

好きでチャンピオンシップに参戦したかといえば微妙ではありましたが、それでも 1st レグを 1-0 で勝って、この試合で 0-1 以上であれば年間優勝が決まるレッズ。アジア王者として日本のクラブでは初めて出場したクラブワールドカップの、あの時の夢のような時間がまた味わえるだろう、それが決まる瞬間に立ち会いたかった私と、“ あのレアル・マドリード ” とレッズが戦えるかもしれない、という夢を持って現地参戦した娘でした。

また世界にチャレンジ出来るかもしれないレッズに大きな期待を持って日の丸が入った国際仕様のユニを着て現地に行った娘でした(2015 年ユニですが)。


今回もサポ仲間さんのご好意で北ゴール裏前段でレッズを後押し出来た幸せ。
試合前に全てのスタンドのレッズサポーターが立ち上がってレッズを後押ししたことには鳥肌が立ちました。初めて見た光景でした。この時埼スタにいた観客数は 5 万 9,000 人を超えていました。
立ち上がりのレッズは攻撃と守備のメリハリが効いていて、ボールのつなぎもテンポが良く、集中して試合に入れていました。
そして開始早々に高木のクロスから興梠が絶妙なタイミングで足を伸ばして先制!
この時、我々レッズサポはレッズの年間優勝を 99% 信じて歓喜しました。
ところが前半 30 分を過ぎたあたりからレッズは鹿島に最終ラインを上げられて自陣に押し込まれ、シャドー(特に高木)は自由に動けるスペースを失い始めました。そして前半終了に近い 39 分に同点ゴールを与えてしまいました。
嫌な時間に同点ゴールを与えてしまい、後半に修正出来るかな、、と私は期待したのですが、後半に入り青木と忠成の 2 枚同時投入のはずが青木のみ投入で柏木をボランチからシャドーに上げるかたちになり、その 2 分後にはまだ動けると感じた関根を下げて駒井を投入したミシャ。それでも鹿島ペースで進む中、後半消えていた興梠を下げてズラタンを投入。
・・・この後、槇野が自陣ペナルティエリアで微妙な倒しかたによりイエローを貰い、鹿島に PK を与えて 2 失点めとなりました。。
2 失点してからようやくペースを引き寄せられたレッズでしたが、鹿島ゴール前でのパワープレーに忠成を投入出来る交代カードはなく(忠成は 1st レグで肋骨を骨折)、最後の決定的なチャンスも優勝の味が薄いのか、武藤のシュートはやや焦った感のあるキックでボールは虚しく鹿島のゴールバーの上へ。


前半の途中に押し込まれてから殆どペースを取り戻せなかったレッズは、1st レグは勝利したものの 2nd レグを 1-2 で落として、結果年間王者を鹿島に譲ることになりました。
この後がとてもつらかったです。
娘が「私が後押ししたから負けたんじゃないか。タイトルが懸かった試合に私が行くとレッズは勝てない」と半べその表情で下を向いていました。
「いや、そうじゃないよ。悪いのはJ リーグだから。J がアホなんだよ。レッズは一年間で一番強かったんだよ。今年目の前で見てきただろ」と私はスタジアムを後にするまで娘を慰めました。
この試合の結果に一番つらい思いをしているのは選手達?違うだろ!
浦和レッズの歴史は選手達とサポーターとクラブが一緒になって築いてきたものです。
我が家の 7 歳児の泣きそうな顔、今まで積み上げてきた浦和レッズに関わる人達の思いは軽くないんですよ。
レッズは鹿島に負けました。
内容もよくなかったです。
今年もまたタイトルに王手をかけたところで負けました。
でも、来季はチャンピオンシップのないシーズンに戻るのですよね。
J リーグの村井チェアマン、「チャンピオンシップ 3 試合(川崎 vs 鹿島、レッズ vs 鹿島)で 10 万人以上の観客動員があった」とは、超がつく各論ですよね。もともと目指していたものはうまくいきましたか?
2 ステージ制を決めた当時のチェアマンは村井さんではないとは言わせませんよ。
元レッズの監督(レッズを J2 に落とした実質的な張本人)の原理事長と一緒に責任を取ってもらいたいです。
今季の検証をしっかりとやってもらった上でね。

この仕組みの中で敗者扱いになったレッズ、勝者扱いになった鹿島に対しては不公平感を述べるつもりはありません。
この仕組みそのものに大きなバグがあることを J のトップは目を逸らさず受け止めてもらいたいです。
この試合の負け惜しみを超えて、あまりにも残酷な今シーズンの締め括りでした。
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